ORIちゃんの地球の潜り方

その42 =新・余暇と利便性-不便な中でも便利になる=

 この(2012年)5月連休は15年ぶりにバリ島に行った。
 バリ島と言えば、4月28日よりガルーダインドネシア航空の羽田発着便が開設され、深夜発着ではあるが、より気軽に行けるようになった。
 筆者はこの便を狙っていたが、思い立ったころには既に満席、成田発着のデンパサール便も結局確保できず、往復ともジャカルタ経由になった。

# バリ島は近年の沖縄とは異なり、オニヒトデによる食害も目立つものは殆どないようで、結構ダイバーが来るところでは久々に美しい珊瑚を見たのであった。オニヒトデは現地のガイドダイバー氏はあまり見たことはないそうで、この連休直前に宮古島で発生した、オニヒトデの毒によるガイド死亡の件を話したら、大変にびっくりされていた。

 15年前に行った当時はクタ地区(だったと思う)に宿泊して1日はトランベンへ、もう1日はムンジャンガンへ行った。
 よってポイントまでの陸路移動に非常に時間がかかるので、道路をよく見ていたが、その時気が付いたのは、ほぼ直角と言ってよい急なカーブが多いことだった。集落の中は一直線の道路なのだが、集落の端にかかると急カーブがあり、これがほぼ集落毎にあるものだから、結果として急カーブの連続がかなりの時間続いたことであった。
# 今回は、バリ島東部・チャンディダサの外れに泊まったのであるが、空港より当地に行くまでの道は急カーブだらけではなく、途中までは、日本で言えば郊外の1級国道のバイパスのような、なだらかなカーブで結構スピードが出せる道であった。
 宿泊先は空港より車で1時間30分近くかかるので、決して便利とは言えない土地であるが、その代わり秘境気分は味わえるのであった。(それでもビーチからは遠目にオイル・ガスタンクの一部が見えたが)
 現地の日本語ガイド氏に道路のことを聞いたところ、ここ6年か7年くらいでバイパス道路を整備したとのこと。なるほど、バイパス道を通っていた訳だ。その代わり、水田や畑が潰されている筈だが・・・。15年前に行った時もバイクも車もかなり走っていたが、現在はもちろんその当時より車が多くなっている筈である。ガイド氏の話では渋滞が激しくなっているそうで、空港近くでは高速道路の建設も考えられているのだそうだ。バリ島はバリ島なりの事情で交通事情の改善を図っているのだ。※)
 また、2014年頃の完成を目指して、デンパサール空港は新旅客ターミナルの建設が進んでいる。完成予想図を見ると、白いキャンバスのような感じの屋根を持つ洒落たターミナルビルが出来るようである。

※) ある程度の人口密度があれば、空港−市街地間に路面電車(但し一部専用軌道あり:日本であれば広島電鉄のような感じ)を走らすのも温室効果ガス抑制には効果的と思うが、どうもこのような話はないようである。

# 1時間以上車に乗る場合、急カーブだらけとなだらかなカーブでは、身体の疲れは結構違う。日本−バリ島内宿泊先間の移動時間全体から見れば、短縮効果は僅かであるので、劇的に便利になった訳ではないが、バリ島内の移動は便利になったので、そこは生活環境改善と観光地としても利便性の向上(交通事情改善により移動時間の見当が付きやすくなる)がある。これにより、少なくとも「移動が疲れる」という声は間違いなく減るのだろう。
 ただ、恩恵を被っておきながら再度勝手な発言だが、これは水田や畑などを一部潰したことと引き換えである。具体的な提案ではなく申し訳ないのであるが、道路整備が「持続可能な開発」の一部となるよう願ってやまない。便利にはなっても、失うものは最小限にして欲しいし、"秘境感"を失ってほしくないと思う。そして、ダイバーとして当然のことであるが、美しい海のままであって欲しい。こう思うのは、筆者だけではないだろう。

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=おまけ=
# 先日(5月21日)に、全国各地で金環日食が観測された。筆者も通勤途中の乗換駅のホームから写真を撮った。曇りであったことが幸いして、太陽撮影用減光フィルターが無くても何とか撮影できた。
 報道によると、愛知県犬山市の日本モンキーセンターでは、ワオキツネザルが飼育施設の木や傘の上で激しく跳びはねたそうで、これは夕方に多く示す行動とのこと。猿は夕方と勘違いしたかもしれないとのこと。
 では、このような場合に海中の生き物達はどのような行動を起こすのだろうか。筆者はこれに関する記事を読んだことはない。もしご存知の方がおられたら、ご教示をお願いしたい次第である。

文責:折原 俊哉(会員)

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