ORIちゃんの地球の潜り方

その49 =大型手荷物−新編2:ハーフポンドの罠=

 これまで、大型手荷物についてのコラムを4通書いたが、ダイバーにとっては手荷物重量超過は切っても切れない問題。国際線では、かつては米国路線以外でエコノミークラスは20kg、ビジネスクラスは30kgまで無料、米国路線ではエコノミークラスで32kgまで無料だったと思った。(記憶があやふやなので間違いがあればご指摘願います。)
 しかし、最近は大分規則が変わり、多くの会社でエコノミークラスは手荷物1つあたりの重量は23kgまでになった。これを1個なら無料か、2個まで無料かは航空会社で異なる。航空会社間の提携や共同事業化で、以前よりも厳しくなったと感じる部分が多いようである。

 この重量制限は32kg、23kgと、何とも半端な数字である。これは70ポンド、50ポンドをkgに換算しているからこのような数字になる訳だが、以前にこれを知らなかった筆者は、あやうく超過料金を取られそうになったのであった。
 しばらく前(確か2008年だったと思う)、グアムからの帰りの搭乗手続き時のこと、グアム国際空港の搭乗手続きカウンターで荷物を計量台に載せたところ、「ミスター・オリハラ、ハーフポンド超過しています。ハーフポンド分を機内持ち込みに移せませんか?」と係員から言われた。(どうも計量器は0.1ポンド単位ではなく、0.5ポンド単位で表示するようであった。もし間違いであればご指摘いただきたい。)
 宿を出る前に、計量器で23.0kgであることを確認してきているので何故かと思ったが、カウンターの計量器はポンド表示であったので、「そうか、これは23kgではなく50ポンドなのだ!」とここで分かったのであった。

 50ポンドをkgに換算(1ポンド=454gとして)すると、22.7kgであるので、23.0kgの物を載せたら0.5ポンド超過と表示された訳である。何処でも必ずこうなるのかどうか分からないのだが、詳しくご存知の方がおられたら話を伺いたいと思う次第である。
  これ以来、筆者はこれを「ハーフポンドの罠」と呼んでいる。(ちなみに70ポンドをkgに換算すると31.78kg)

 最近はここら辺の事情はどうなのかと思い、いくつか航空会社のホームページの手荷物案内に関するところを見てみたところ、ポンドとkgの両方を表示しているところも結構多いようであった。注意情報としてはいいことかと思う。

  それにしても、kg単位が出来てから長い時間がたっているのに、実質的に二重基準があるのはどうかと思う。各国の伝統的な単位系を否定するつもりは全くないが、「そろそろ“世界標準”に合わせませんか。」と言いたくなることがある。
  もっとも、航空関係では、例えば飛行機の高度は多くの国で未だフィート単位で官制が行われているので(確か日本もそうです)、旅客手荷物の質量だけ単位統一という動きにはなかなか向わないのだろうが・・・。

=おまけ:バニラ・エアの手荷物制限=
 エアアジア・ジャパンが2013年10月26日で運行を終了し、2013年12月下旬にバニラ・エアとして再出発した。エアアジアのCAさんのあの雰囲気(詳しくは書きません)が国内線で味わえなくなるのは残念という人もいるかもしれないが、それは置いておいて、エアアジアからバニラ・エアに変わるのは飛行機や乗務員制服のカラーリングだけではなく、手荷物規則もである。
 エアアジア・ジャパンでは、大方のLCCと同じで、預け荷物は1個から有料であった。予約すると、確か初期状態で1個分の手荷物料金が加算されて表示されてきた。このあたりもあまり評判がよくなかったようだ。
 では、バニラ・エアはどうかというと、一部の運賃を除き20kgまで無料である。バニラ・エアはリゾート路線を主に考えているそうなので、そうだとすれば、多くの搭乗客はそれなりの重さの預け荷物があるのが前提と考えてもよいだろう。
  だったら初めから無料(言い方を変えれば20kgまでの手荷物預かり料金込みを標準にする)とした方が搭乗手続き時の料金収受の手間は省けるし、手続き時間の短縮にもなるし、分かりやすいというのは一理あるだろう。実際、手続きに手間取るようなことは起きていないようである。しかし、このやり方が上手くいかないと、マスコミ等々から「高コスト体質」などと言われるのかもしれない。

※写真と本文は関係ありません。

文責:折原 俊哉(会員)

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