地球の潜り方
その12 =周囲への気遣い=
前回、筆者なりのフィンキック更正法を述べたが、では実際の場面ではどのようにして確認すれば良いだろうか。
練習用プールでは、水底や壁に鏡を取り付けて自分自身で確認できるところもあるが、海ではそのようなことはできない。最終的にはバディやガイドに聞くしかないのだが、それ以前にも自分で確認する方法はある。ダイビング中の周囲への気遣いも兼ねて、以下のようなことが可能である。
1.自分のフィンキックの状態の状態を自分で見る。
前ばかり見ていないで、頭を下に向けて後方を見てみよう。
例えば、砂地のすぐ上を泳いでいる時に、自分は丁寧に泳いでいるつもりでも、実は砂を巻き上げているかもしれない。砂地の上で停止(例えば減圧停止)している場合、ついつい自転車漕ぎキックをしているかもしれない。
マスクには死角があるのでどうしても目の前しか見えず、脇はあまり見えない。多少後ろを見たくらいでは大した範囲は見えない。よって、思いっきり頭を下げて真後ろを見てみよう。例えば砂をまき上げていないか一目瞭然であるし、フィンの近くでは砂がまきあがっていなくとも、離れたところで砂がまき上がっていることがある。無駄な動きをしているか否か確認する良い機会になる。
例えば砂地の少し上で減圧停止を行っているとして、オーバーウェイト気味でフィンキックで深度を維持しているとする。その場合、当人の真下数メートルの砂地では砂がまき上がっていることもあるのだ。
水中では至近ではなく結構離れたところまで影響が及ぶのが分かる。フィンキックだけでなく適正ウェイト、浮力制御まで見直すきっかけになる。
何か固いものに当たれば、フィンとブーツを通してでも何かに当てている感覚がつかめるが、やわらかいものの場合や、何かに集中している場合(例えば写真を撮っている場合)は感覚をつかめないことが多々ある。
2.ガイドに自分のフィンキックの状態を聞く
例えば、サンゴに当てていなかったか、自転車漕ぎになっていなかったか等々、真面目に相談すれば、大方のガイド氏はある程度の助言はしてくれるはずである。但し、講習を受けに行っているのではないのだから、細かすぎる話は控えよう。細かい話をするならバディ相手に限ろう。
以上
文責:折原 俊哉(会員)