地球の潜り方
その15 =食事=
皆さんは、ダイビング前後の食事として、どの様なものを選んでいるだろうか。
ダイビングはもちろんのこと、スポーツ時には「バランスの良い食事を心がける」、「消化の良いものを選ぶこと」及び「食べ過ぎない」事が原則である。
これらは理想として、実際はどうだろうか?例えば幕の内弁当を例に考えてみても、比較的消化の良くないものも入っている。逆に、消化がよい食品でも急いで食べてしまったらあまり意味がない。
例えば米を食べるとしても、消化を考えたら粥がよいが、粥だからといって飲み込むように食べてしまってはあまり意味がない。粥を食べるのであれば、温かい粥をゆっくり食べたい。(例えば中国でダイビングを行ったとして、ボートの上で暖かい中国粥を食べることが出来たら拍手喝采だ!)
消化のことばかり考えて離乳食に近いものを食べるのでは物足りないであろうし、エネルギーをとることばかり考えて、カロリーメイトやヴァーム等のゼリー飲料を食事の一部にするのも少々考えものである。
どうやら消化の良いものにこだわりすぎると食事の体を成さなくなりそうなので、以下は消化の良悪は別として、バランスの良い食事を考えてみたい。
ダイエットの項でも述べたが、あまりにバランスを気にしすぎると、食事量が著しく少なくなるか、その逆になることがある。特に旅行先では、土地にもよるが、バランスの比較的良くない食事が毎日続くことも考えられる。以下にバランスの良くない食事をそこそこまでに修正する方法を示す。(いずれも料理本からの抜粋。)
1.食事がハンバーガーとフライドポテト等にならざるを得ないなら、野菜ジュースかトマトジュースを飲む。
2.夕食がどうしても野菜が減りがちならば、牛乳を毎日1杯飲む。
3.蕎麦等のあっさりした食事を好む人は、つとめて肉、魚、卵、牛乳をとる。(特に中高年の方)
4.晩酌が欠かせない人は、野菜、海藻、豆腐をつとめて食べる。(但し、ダイビング直後の飲酒は控えましょう。)
上記でも牛乳についてふれている部分があるが、牛乳の効果はそれなりのものがあるようだ。筆者の祖父(10年前に93歳で老衰で死去)は、働いているころはかなりの”暴食”(酒は飲まなかったので”暴飲”はない)だったようだが、毎朝一杯の牛乳だけは食糧難の時代を除き欠かさなかったそうだ。元々体が強かったこともあるが、「病死でなく”大往生”することが出来たのは、毎朝一杯の牛乳を習慣化していたことも要因の一つと思う。」と担当医が話していたことを今でも思い出す。
この他にスポーツ直前の食事・軽食として、「素早くエネルギーに変換される」ことも重要な要素になる。この目的のために、冒頭に記載したヴァーム等々のゼリー飲料がいろいろ発売されている。
これは筆者の経験であるが、ダイビング直前にゼリー飲料を飲んだところ、結構ポカポカしてきて水温の割に寒さを感じなかったことがある。個人差はあるが、ある程度の効果は見込めると思われる。皆さんも試してみてはいかがであろうか。
引用文献:正しいダイエット読本(月刊ベターホーム臨時増刊、1996年刊)
以上
文責:折原 俊哉(会員)