地球の潜り方
その16 =ちょっと変わったダイバー=
他のコラムでも述べたとおり、楽しみ方は十人十色なので、その「変わっていること」が法律違反や他の迷惑でない限り、批判したり否定するべきではない。
以下に示すのは、これまで筆者が見た「ちょっと変わったダイバー」である。雑誌にも色々な「ちょっと変わったダイバー」が紹介されているので、これはほんの一例のそのまた一例である。「こんなの普通だよ」と思われる方もいらっしゃるだろう。皆さんの周囲にはどんな「ちょっと変わったダイバー」がいるだろうか?
1.陸上での服装がどう見てもレジャー向けでない
仕事場から直行したわけでもないのに、なぜかスーツで現れる人。そのスーツも仕事向けではなくどちらかといえばクラブやディスコに行けそうなもので、アメリカあたりなら仕事着で通用するかもしれない。周囲の人を寄せ付けない雰囲気を醸し出していた。
その方はいつ何時でも外出時はスーツ着用が主義のようだが、荷物を持つときなどに窮屈ではないだろうか?ちなみにその方はどう見ても20歳代後半くらいだった。
2.アルコールが離せない人
いつ何時でもアルコールを離したくないという人は多いであろう。ただ、筆者が以前見たのは女性2人組の飲んべえで、ペットボトルに日本酒とウイスキーを入れて持ち歩いていた。旅行時に酒瓶を持って飛行機に乗るのは少々気になるし重いので、割れる心配の少ないペットボトルに移し替えて旅行するのだそうだ。
もちろんボートに乗るときも携帯していた。でも、さすがにエントリー直前、エキジット直後の飲酒はしていないようだった。ビールは軟弱すぎてあまり飲まないらしい。医者からは「ほどほどにするように」と毎年言われているらしいが、あまり気にしていないようであった。
3.望遠レンズをボートダイビング時に携行(けっこういるかも)
かつての筆者である。最近は行っていない。
かなり以前であるが、2月に慶良間に行った。この時期は慶良間には鯨が現れる。この時は鯨を撮るために望遠レンズを用意したわけではなく、慶良間付近を低空で飛ぶ飛行機を水面休憩時に撮るのが主目的だったのだが、天候があまりよくなく、しかも波も高めだったので、出番は無いかに思われた。
しかし、そのとき少し離れたところに鯨が現れた。風はますます強くなり波も高くなったので、船長はこれ以上近づけないと言う。それでも皆出現した鯨に興奮し、カメラを持っている者は皆構えていた。しかし、いかんせんモーターマリン(当時はまだデジカメはあまり普及していなかった)のレンズでは非常に小さくしか写らない。そこで筆者の望遠レンズ(焦点距離400ミリ)登場である。船が揺れていることもあり、岩合光昭氏の写真のようにはいかないが、少々の手ブレ状態でファインダーに半分ほどの大きさに鯨の背中を写すことが出来た。この写真は何故か好評で、帰京前日に那覇の写真屋でかなりの枚数を焼き増ししたのであった。
なお、これはビーチの隠し撮りや覗き見が目的ではない。(念のため。今後は盗撮防止法なるものが出来るようなので皆さん公序良俗に反することはやめましょう。)
以上
=※=
前回、「ダイビング中に地震にあったら」を書いたが、掲載直前にインドネシアで大地震が発生し、沿岸各国を襲った津波で甚大な被害が出てしまった。(原稿を書いたのはこの地震の直前であった。)
ダイバーの談話が紹介されているが、東海地震や東南海地震が近いと言わる中、業界団体各位には地震対策に真剣に取り組んで頂きたいと思う。警戒警報が出ているときは営業休止、ポイント制限や深度制限くらいは行ってもよいと思うのだが、皆さんはどう考えるだろうか。(自己責任の世界だから関係ないか?もし筆者の無知であればお許し下さい。)
文責:折原 俊哉(会員)