地球の潜り方
その2 =大型荷物(2)=
前回は、大型手荷物を持って空港に到着するまでについてを問題とした。前回の最後で述べたように、空港に着くまでが受難の全てではない。ここからが第2ラウンドの 始まりである。
まず、手荷物カウンターで聞かれるのは、「壊れ物はありませんか?」である。ここで皆さんはどう答えるだろうか?プロテックス等のハードケース・トランクに入れ てある場合は別として、キャスターバッグの場合、皆さんはどう答えるだろうか? (ちなみに筆者はキャスターバッグを使っている。)
ただ「ダイビング器材が入っています」と答える人、「なし」と答える人、レギュレーターを機内持込手荷物にした上で「なし」と答える人、「多少気を遣う物がありま すが下の方(ハード部)に入っているので大丈夫です」と答える人等、さまざまだろう。
ここで、国内線ならば、「では取扱注意の札を付けておきます」と説明があり、”HEAVY””FRANGIBLE”等の札を付けてもらえる場合が多いだろう。しかし、国際線は どうだろうか?もし壊れたらどうなるだろうか?
国際線の場合、航空券に注意書きが英文と参考日本語文で載っているので、一度読 まれるとよいだろう。(筆者の職業は運輸業界でなく、また国際運送関連に詳しい訳でもないので、詳細な説明が必要な場合は航空会社の支店等で尋ねるとよい。)
注意書きには「国、航空会社で取扱に差があることがある」旨が書かれている。重量制限一つをとってみても、米国は32kg、米国以外は20kg(エコノミークラス)であるが、ダイバーであることを事前に申請すれば10kg程度免除してくれる航空会社もあ る。そうかと思えば、全く認めないこともあったりで、結構ヒヤヒヤするものである。
筆者の場合、6年前に団体で某リゾートへ行く際に、カウンターで「重量超過は認め ません!」と言われ、5kg以上超過の人が慌てて荷物をばらして一部を機内持込にする等、パニックに近い状況に出くわしたことがある。また、10年ほど前であるが、筆者がライセンスを取得したダイビングショップのインストラクターが、ダイバー・リゾーターがよく使う某航空会社と空港カウンターで”プロテックスを預かる、預かれ ない”で大喧嘩をしたそうだ。
最近の筆者の例では、ダイブクルーズへ行く際に成田から某外国航空会社を利用したのであるが、カウンターで「お預けになる荷物の損傷について一切責任は負えません。この書面に署名して下さい。」と言われた。「それなら預けません」と言えるような荷物の量であるはずがなく、署名して預けたのだが、”預かるけど壊れても知らない”に等しい事を言うのはいかがなものだろうか。いったい何の為に荷物を預かるのか分からない。後で航空券の注意書きを読み返してみたら、「航空会社によっては壊れやすいものを預からないこともある」旨書いてあったので、これに該当することと思うが、どうも拡大解釈のような気がしてならない。(筆者の非常識であればお詫び致します。)
上記は筆者がふと思い出した例,出くわした例であるが,ダイバー諸氏に限らず、大型手荷物を持って旅行・出張される方にとって,手荷物がどう扱われるか心配な方は多いだろう。ダイバーではないが,筆者の両親も欧州旅行で,帰国便搭乗手続き時に預けたトランクを成田で受け取ったら凹んでしまっていた,ということがあった。幸いこのときは中身に損傷はなく、航空会社がトランクの修理費を負担してくれた。
手荷物に関する問題は終わりがない。全ての旅行者が、期間に余裕を持って目的地 に保険付保の上宅配便で送っておく、というのはまず不可能であろう。
航空会社の姿勢もあるが、空港業務自体の問題も無視出来ない。欧州某国某大空港は乗り継ぎ時の手荷物ハンドリングが悪く、ロストバゲージがよく発生することで有 名と聞く。最近では、香港新空港の開業直後、荷物ハンドリングシステムに重大なトラブルが発生し、旅客の搭乗手続きは出来ても手荷物は置き去りで出発せざるを得ない状況になったことが記憶に新しい。
文責:折原 俊哉(会員)