地球の潜り方
その38 =続・余暇と利便性-休暇分散は吉か凶か?=
以前の拙著その7「余暇と利便性」、及びその36「ハッピーマンデー法でハッピーになれたか」で、休暇のことを扱ったが、最近にきて地域で休暇時期をずらす休暇分散が議論された。
国による"強制的休暇分散"は意味が無いとの意見がかなりあり、筆者もそう思っていたら、問題が多いとのことで考え直しになったようだ。
ここで、ダイビングの場を想定して、もし休暇を分散したらどんなことが起きそうなのかいくつか考えてみたい。
少し遅れた話題になってしまい、以前の拙著をしつこく繰り返す部分があるが、この点はご勘弁願う。
1.混雑が多少平均化する?
地域ごとに休暇時期を変えることで、特定時期に混雑が集中するのを避けると言うのが大目的。
上手く分散化できれば、ピーク時には大混雑でヘルプのガイドさんを頼むことや、閑散期にはその逆で多くのガイドさんが他の仕事かアルバイトをするといったことが現状よりは減るのかもしれない。
2.バディが成立しにくくなる?
既に新聞等には出ていたことであるが、何処かの地域は休んでいるとしても、他の地域は休んでいないので、業務に差支えが出る可能性が大きく、取引先の所在地の休暇のことを考えたら結果として思ったほどには休めないということになる可能性が大きい。
これをダイビングに当てはめるとどうか?筆者のように、殆どの場合一人旅である場合は問題にならないが、絶えず複数でダイビングに行く人にとっては大いに関係がありそうだ。
固定したバディがいる場合、バディ同士は比較的近いところに住んでいるとは限らない。筆者がこれまで見てきた限りでも、例えば関東在住者と北海道在住者のバディがいた。もし、関東と北海道で休暇日程がかなりずれた場合どうなるか?お互い「○○ちゃんと一緒でないと潜らない」といった間柄だったら、バディが成立しなくなる可能性もある。そうなると、旅行に行く機会も減るので、ダイビングの機会も減るということになってしまう。
調べたことはないのだが、"遠隔地バディ"は結構多いような気がする。
3.旅行代金が全体的に上がる?
ひねくれた見方かもしれないが、全国的に見ると繁忙期料金の期間が大幅に増える可能性があるかもしれず、結果として旅行代金が全体的に上がるのかもしれない。
給与デフレの現在にあっては、旅行代金の上昇は客足が遠のく要因になる。
果たして、休暇分散は吉か凶か?今後も議論不足のまま突っ走ることだけはやめて頂きたいと思う。
=おまけ:DIVE BIZ SHOW=
近年ジリ貧傾向にあったダイビングフェスティバルだったが、既にご存知の方も多いと思うが2011年より「DIVE BIZ SHOW」という業界向けの展示会になる。今年は1月27日(木)及び28日(金)の開催である。開催日に土曜・日曜が入っていないことからも一般向けでないことが伺える。
いくら人の多い首都圏と言えど、ほぼ同様の目的のイベントが年に2回というのは過剰だろうとは思っていたが(そう言いつつも筆者はダイビングフェスティバルもマリンダイビングフェアも欠かさず行っていた)、バブルの名残のあるうちはいいものの、これがなくなっては出展者側にとっても負担になっていたのだろう。
今後どうなっていくのか、筆者は業界人ではないが様子を見て行きたい。現在の出展者リストを見ると、参加してもおかしくないと思われる団体が出展していない。業界が皆参加したくなるようなプロ向け展示会になって欲しい。
文責:折原 俊哉(会員)