地球の潜り方
その40 =大型荷物(新編)=
本コラムを始めた最初の頃(2002年から2003年ころ)に「大型荷物」を3回書いた。
当時は公共施設のバリアフリー化が色々なところで取り上げられていた最中で、また当時の小泉首相が観光業を注視した頃であったので、この話題を取り上げた。
本コラムの40号は過去記事の内容の再検討などを考えていたのだが、丁度それに合うかのように、筆者は初めて飛行機搭乗時の預け荷物で超過料金を、しかも国内線で取られたのであった。
よって、今回は久方ぶりに、大型荷物をテーマにしようと思う。
1.超過料金を取られた際の状況
7月下旬の羽田空港、A社手荷物カウンターでのこと。那覇乗継で宮古島まで行く筆者は、預け荷物カウンター前の列に並んでいた。夏休み期間なので、カウンターは結構混んでいた。 筆者の数名前に、男性ダイバーがいた。(Sプロのホイール・バックを引いていたのでダイバーと見て間違いないだろう。)
「そういえばJ社は預け荷物の重量上限が引き上げになるんだな、今後は両社とも手荷物超過料金の運用が厳しくなるのかな・・・」とふと思った。その男性ダイバーは特に超過料金を取られた様子も無くカウンターを去った。
それから間もなく、筆者の番になった。すると「お客様、この荷物の重量では超過料金を頂くのですが、少し荷物を取り出せないでしょうか?」と言われたのである。これまで国際線でもこんなことは記憶に無い。手提げバックとバックパックは他の荷物で一杯で、取り出しても詰め込めない。空いていて時間に余裕があれば、列から外れて荷物を開けて整理し、もう一度並びなおすだろう。しかしこの状況下では困難である。文句を言ってごねたら後ろの人たちは迷惑だろう。よって、その場で渋々超過料金を払ったのであった。以前、預け荷物の重量上限が15kgであった時代に一度も言われたことがないのに、何で今頃言われたのか、確かに超過していたのだから文句は言えないが、往路の機中で考えたのであった。
(オイ、A社のカウンターのM女史!あなたはあの混雑下では並びなおしは難しいことを利用して、見てからに大きく重そうな荷物を持っている者を標的にしたのか?それとも筆者の顔はそんなに仏様に似ていたか、気弱でお人好しに見えたかな?そうだとしたらアナタは結構な"ワル"だぜ!)
2.宮古島での話
このオーバーバッケージの話を、宮古島のダイビングショップにしたところ、「エーっ、取られたの?」と言われた。筆者が初めてではないようだが、そう頻繁に聞いているわけでもないようである。
ショップのオーナー曰く「でもね、帰路は恐らく取られませんよ。土産で重量が増えているところで軒並み超過料金を取ったら、観光協会が文句を言うと思いますからね。それにしても、料金を取るか否か、人によって違うんだよなー」とのこと。
これで思い出したのは、1997年にバリ島に団体で行った際のこと。成田空港の団体カウンターで荷物を預ける際に、列の先頭の人が「オイ、超過料金取られるゾ、皆荷造りし直せ!」と叫び、皆いっせいに荷物の詰め替えを行ったのであった。その時もA社だった。
3.さて、器材は何処まで軽くなる?
筆者の器材は結構古い。レギュレータはオーバーホール先から「内部のメッキが剥がれてきているのでこれまでより取り扱いに注意要です」と言われた。来年(2012年)で使い始めて20年になるので、そろそろ買い替え時だろう。多少値が張ってもチタンパーツ使用の軽いレギュレータにしようかと思う。
現在使っているフィンはプラフィンだが重い方である。ストラップを数回交換しており、レギュレータと同じく来年で使い始めて20年である。買い換える際はゴムフィンはやめ、比較的軽い(浮力がほぼ中性かややプラスの)プラフィンにしようかと思う。(性能が悪かったら困るけど)
BCは超軽量を宣伝文句にしているものがあるが、見た目が少々貧弱だったり浮力が小さいものは、使い勝手が筆者が現在使っているBCと著しく異なるかもしれない。慣れるまでは事故を起こす確率が高いであろうから、勝手が相当違うBCを買った場合、事故率が高い期間が長く続くということになる。よって、これは軽量にこだわりすぎない方が良いような気がする。
ダイビング器材は新しくなるほど軽くなるということはないようなので、自分のダイビングスタイルを満たす中でどこまで軽くするか考えるのがよいようだ。
4.軽くするにはバックも大事だが使い勝手には注意
一番オーソドックスなのはキャスターバック。容量は大きく重量もさほどではない。
最も重いのはもちろんPROTEX。詰めこんでいくとあっという間に重量超過であろう。
旅行用トランクの軽量タイプは割と軽く収まるが、トランクの強度と耐久性に注意したほうがよいものもあるようだ。
筆者が使っているのはダッフルバックタイプである。かつてはキャスターバックを使っていたが、2006年夏よりこのタイプに変えた。重量はキャスターバックと同程度かやや軽く、容量は比較的大きい。重量を考えると筆者は今後もこのタイプを使う可能性が高いだろう。ハード部がないことが心配な点であるが、荷造り時にフィンを両側面に配置しておけばほぼ問題ない場合が多いだろう。ただし2輪なので動かすときの方向に制限がある。詰め込んでいくと段々横に広がってくるのだが、広がった状態では(ものによっては広がっていない状態でも)鉄道駅の自動改札機を通れない場合が結構ある。大型荷物用に幅広の自動改札機がある駅ならよいが、そうでない場合は幅広の有人改札を通るか、有人改札も幅広自動改札も無い場合は引きずって自動改札機を通るしかない。これは欠点の一つに挙がるだろう。
上記のような対策でレギュレータ、フィン、BCDで1.5kgくらい稼げるだろうかと思う。こういうことを考えている人は他にもいるのかなと思ってサイトを探したら、「水中写真紀行」というHPにかなり細かくグラム単位で計算した例が出ていた。重器材だけでなく、軽器材や衣類の軽量化にも触れていた。これも参考にしようと思う。
※写真と本文は関係ありません。
参考サイト: 「水中写真紀行」http://homepage3.nifty.com/a7/uw/#top
文責:折原 俊哉(会員)