地球の潜り方
その43 =二兎を追う者・・・?=
これまで何度か天候にまつわる話を本コラムで取り上げているが、今夏(2012年夏)もまたまた天候にかかわる「ジンクス」と思われる事態に出くわしたのであった。
これまで2度(2008年夏、2011年夏)にわたり、「宮古・多良間勝手に2島サファリ」を計画し、2回とも台風に出くわした。2008年夏は宮古島で潜れず、2011年夏は多良間島で潜れずに終わった。
「宮古を入れた2島サファリがいけないのではないか」と思い、今度は「石垣・与那国勝手に2島サファリ」を計画した。
石垣島は2000年に初めて行き、2002年以降は毎年行っている。これまで悪天候に出くわしたことはあまりなく、飛行機が欠航になるほどの天候であったことはない。与那国島はこれまで行ったことがなく、ドリフト主体のダイビングであることから二の足を踏んでいたが、あまりモタモタしていると「事前に診断書提出」の年齢になってしまうことから、行くことにした。
出発前に予想天気図を確認すると、出発数日前の予報から、数日後にフィリピン沖に台風が発生する予想が・・・。(これが台風9号である。)後は各位のご想像のとおりである。
石垣島に到着して現地ガイドに確認すると「この台風来ますよ。今年初当たりかな。」とのこと。更に「いやー、時期がよくないですよ。この時期に1週間近く沖縄にいれば、台風に当たると思った方が・・・」とのこと。台風シーズンには違いないが、石垣の「運の良さ」に賭けたのであったが・・・。石垣島滞在中に、一度空港に行き与那国島までの航空券の払い戻しを行うなど慌しい部分がある一方、台風通過時はホテルでごろ寝・オリンピック中継見放題の「休養日」であった。
以前にこの時期に沖縄本島に1週間いた時は、概ね良い天気であった。台風に当たらない場合だってあるのだ!
ここで共通することが1つ。台風に当たったのは、いずれも「勝手に2島サファリ」である。「二兎を追うもの・・・」ではないが、少々欲張った旅行内容にしているのである。(2島を巡るが目的は同じなのでこの言葉を当てはめるのは正しくないが、石垣島ではダイビング後の時間を利用してレンタカーで島内巡りをするので、全くの間違いとも言えないか・・・)
「あまり欲張らないように。」という戒めであろうか。筆者は大変な貧乏性である(と言われている)ので、一石二鳥どころか「一石三鳥」くらい狙ってしまうのだが・・・。
さて、ダイビングはどうかというと、台風がだんだん近づいてくるため、普段なら一度は行く川平や伊原間には行けず、ショップ近辺のポイントに限定された。特にダイビング3日目は、これまで潜ったことのない、浅場のポイント、マクロ好きの人向けのポイントであった。
筆者は「マクロ系ダイビング」は得意な方ではないが、じっと水底を見ながら這うように進んでいくと、これまで見えてこなかったものが見えてくるので新鮮であった。
下の写真は、中央部以外が流れて写っているが、これはルーペを接写機能の低いカメラの前に撮っているためである。ガイド氏は慣れているので上手く撮れるが、筆者は初めて使うこともあり、ピントを合わせるのが困難であった。(ガイド氏はこのような「外付接写装置」を種々自作している。)
今後は「勝手に2島サファリ」は極力やめようと決めた、今回(2012年夏)の旅行であった。 石垣島へ行くのは6月中旬から下旬にかけてのことが多く、この時期は梅雨末期で雨に降られることはあるが、台風はまだ来ないことが多い。これに次いで多いのは9月中旬以降である。石垣行きは、来年からは、また例年の時期に戻すことにしよう。
※ひょっとしたら、旅行会社が主催する「ダイビングサファリ」に申し込んでも同じことになるのだろうか?と、ふと考えたのであった。
※石垣島には来年(2013年)3月7日(予定)で新空港が開港する。筆者が来年石垣島に行く時には、余程のことがない限り、既に新空港に移転している。よって、今回の旅行が現空港との「今生の別れ」であった。
文責:折原 俊哉(会員)