地球の潜り方
その5 =手話=
Cカード取得に際し、どの指導団体でも、水中での意思疎通のために必ずハンドシグナルは習う。習った後でもブリーフィング時にはおさらい的にハンドシグナルの確認を行う。
でも、ハンドシグナルは所詮ハンドシグナルで、普通に会話ができるものではない。水中で普通に会話をしようと思ったら、スレートを用いる筆談か、さもなくば今はまだ高価な無線式水中送受話器を使うしかない。
しかし、世の中にはそんなことをしなくても水中で日常とほぼ同じ会話をしている人たちがいる。それはCカードを持っている聾唖の方々である。
以前、筆者は聴覚障害を持っているインストラクターと会ったことがある。その方は、補聴器を使えば電話応対も出来る方であるが、聾唖の方との会話の必要性があることから、手話を完全に行える方であった。そのインストラクター曰く、「陸上の手話を水の中で行うだけですから楽ですよ。健常者をガイドする方が疲れるくらいですよ。」と話しておられた。
水中で手話が出来れば、聾唖の方でなくとも、ダイバー同士が水中で交わす情報量はハンドシグナルとは比べものにならないほど増やすことが出来るだろう。(但し、口元の動きだけは殆ど出来ないから、陸上と全く同じ情報量ではないかもしれない。)
身障者対応のことを考えても、手話が可能なダイバーの地位を何らかの手段で明確化しても良いような気がする。(スペシャリティーにしてはチト大変すぎるかも・・・)
皆さんはどう思われるだろうか。
文責:折原 俊哉(会員)