地球の潜り方
その6 =ダイビングを始める動機と始めた後の継続=
皆さんのダイビングを始める動機は何であろうか。もちろんいろいろあると思う。挙げれば相当たくさん出てくるし、それこそ個人個人で皆違う。それでも大雑把に分類すると大体下記のようなものだろうかと思う。
1)親、兄弟、親戚がダイバーだから
2)実家がダイビングショップ
3)水族館に行ったのがきっかけ
4)旅行先でスノーケリングや体験ダイビングを行ったのきっかけ
5)映画、本
6)不純な動機
7)その他
1)、2)について
親族にダイバーがいれば、当然誘われもするだろうし、自分は陸で留守番、他は海の中という経験のある人もいるだろう。
3)について
単純に”水槽でなく実際の海の中をこの目で見たいから”という人もいる。また、水族館での餌付けショーを見て、これをやってみたいからという人も結構いる様子。(筆者も何例か見ている。)
4)について
これもかなり多い。ただ、その時の体調や海況により「もう2度とやりたくない!!」という人も出るので、かなりブレがある。
5)について
古くは「沈黙の世界」、比較的最近では原田知世主演の「彼女が水着に着替えたら」が代表的なものだろう。
6)について
特にコメントしない。
7)について
1)~6)のいずれにも当てはまらないもの。
筆者の場合、上記の中で当てはまるのは3)と7)である。(始めた当時は周囲から「不純な動機だろう」と言われた。不純な動機が全くないとは言わないが、不純な動機だけでは10年は続かない。)
筆者は元々写真と旅行が好きで、中学生の頃から結構頻繁に列車旅を行っていた。(予算の関係から飛行機は使えなかった。)しかし、海のそばに行ってもただ眺めているだけでは物足りないし、何か体を使う趣味を持ちたいと考えていた。
そこで候補に挙がったのはスキーとダイビングであった。筆者は元々喘息持ちなので、小さい頃に発作防止・体力増進のために医者の勧めにより水泳を始めたのであるが、そのうちに水面だけではつまらないと思うようになった。
しかしその当時はダイビングを始めるための資金があるわけではなく、実際に始めるまでそれから10年以上かかった。ダイビングを始める直前にスキーの講習会にも行ったが、両方を続けることは出来ないのでスキーは習いかけでやめた。よって買ったウェアはタンスの奥で今も眠っている。
ダイビングを始めた後も、それ以前の趣味を全くやめた訳ではなく、陸上の写真は今でも続けている。喘息発作防止で始めた水泳も続けている。ダイビングを始めてからは飛行機に乗る機会も増えたので、極力窓側席をとって”空中写真”も撮っている。
結局何が主なのか分からないようだが、趣味なのだからそれでいいのだと思う。ダイビングに限らず全ての趣味に当てはまるが、「楽しみ方は十人十色」と宣伝しておきながら、その実は熱烈マニアになること(ダイビングであれば最たるものはインストラクターレベル)を求めている趣味団体が結構多いような気がする。きっかけがどうあれ、その趣味が継続されて裾野が広がればそれはそれでいい事ではないかと思う。
別の言い方をすると、趣味団体は趣味人という”消費者”を引っ張っていくことも必要であろうが、趣味人の楽しみ方という”消費者ニーズ”を分析し自らの運営に反映させる必要もあるはずである。
文責:折原 俊哉(会員)