地球の潜り方

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その64 タンクによる健康被害が出てこないか?

暫く前(2019年5月)に、毎年定期の、レギュレータのオーバーホールを行った。

オーバーホール前、ダイビング終了後に器材を片付けているときに、フィルター部分が白くなっていた。
「あれ、これ塩かな、それにしては変だな・・・、ひょっとしたら・・・」と思い、オーバーホールショップに話すと、「ハイ、これはアルミの錆ですね。”外れタンク”だったのかもしれませんが、タンクの保守管理が全般によくないのかもしれませんよ」とのこと。

 

 

”外れタンク”といえば今でも思い出すことがある。2007年の秋に海外リゾートに行った際に、途中から、息を吐いたときにオクトパスから気泡がチョロチョロ出始めたのだ。その後でだんだんひどくなることはなかったが、非常に心配になった。帰京後にオーバーホールショップにレギュレータを持ち込み点検してもらったら、アルミの錆がレギュレータ内に入っていたことが分かり、”外れタンク”が原因だろうとの説明を受けた。

今回の件では、オーバーホールショップから以下の話を聞いたのであった。

・最近、アルミ錆が内部に入り込んでいるレギュレータが非常に増えていると感じる。
・上記は海外だけではない。国内でも同様。

レギュレータ内に入っているということは、吸ってしまっているということである。変なもの吸っちゃったな・・・。
金属粉を吸っているので、体にいいわけはない。
ひょっとしたらガイドやインストラクターなどの職業ダイバーでは被害が出てはいないか、オーバーホールショップに聞いてみたら、「そこまでではないようですよ」とのことだったが、ひょっとしたら何か記事があるかと思い、アルミと鉄で少し調べてみた。

まずは、オーシャナに「高圧ガス販売事業者は必見! スチールタンクに関する注意事項」というのがあった。(https://oceana.ne.jp/infomation/78314)

「スキューバ+健康被害」で少し検索したが、大した出てこない。まだ顕在化していないのだろうか、そこでアルミ錆に加えて鉄錆の吸引でも少し調べてみると・・・(下記)。

yahoo知恵袋より:
鉄のさびは、酸化第二鉄であり、人間の身体のヘモグロビンを作る原料になるので 良い影響があります。昔は鉄瓶・・・(途中略)・・・当然中は赤錆で 真っ赤でしたが、それが逆に健康に良いのです 最近のアルミニウムの包丁やなべは 体内に入るとボケを誘発しますので アルミ製品の使用はできるかぎりやめた方が良いと考えます ・・・(以降略)。

教えてgooより:
東京都神経科学総合研究所では、人体に吸収されやすい水に溶けたアルミ化合物に限っては「厳密な因果関係は証明できないものの、たばことがんの関係のようにアルミも危険因子であり、アルミ鍋などは使わない方がよい」との見解を示しています。

(途中略)

アルツハイマー病は、その発症に遺伝要因のみならず、環境要因もが複雑に影響する多因子疾患であり、アルミがその原因の1つであるという決定的証拠はないが、アルミニウムが多量に体内に侵入した場合痴呆症状を起こす(透析痴呆)ことや、疫学結果などを考慮するとその可能性は高いと思われます。
 いずれにしても、アルミニウムに神経毒性があることは疑う余地はなく、アルミが必須元素ではないことを考えれば、なるべく摂取を減らした方がよいと思われます。

 これで、かなり前だが「アルミ鍋を使っているとボケるらしい」と母が言っていたことを思い出した。もう少し労災関係で塵肺を調べると、

塵肺(wikipedia)より:
無機粉塵-
珪肺、石綿肺、蝋石肺、滑石肺、珪藻土肺、アルミニウム肺(金属粉)、酸化鉄肺(溶接工肺)、黒鉛肺、炭鉱夫塵肺、炭素肺(活性炭粉)

アルミニウム肺-
アルミニウム粉塵の吸入が原因。進行が早く、数年間程度で呼吸困難、衰弱などの症状が現れる。

酸化鉄肺(鉄肺)-
酸化鉄の吸入が原因。電気溶接工にみられる。あまり進行しないといわれる。但し、吸い続けていると数十年で肺が膠の様に硬くなり呼吸困難に陥り、治療は不可能となる。

少し調べる限りでは、労災関係以外は以前からあるアルミ製調理具からの溶出のようで、ダイビング関係ではまだ顕在化はしていないようである。
工業の現場では上記の様に塵肺の一種として存在するので、これと似たようなことがダイビング業界でも起こらなければよいと思うのだが、実情は如何に??

事業者の皆さん、タンクの手入れはよろしくお願い致します。

 

注:写真と本文は関係ありません。

文責:折原 俊哉(恵比寿潜酔会・懇親会系幹事)

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