その70 ダイビングのお宿は何がいい?
このコラムではホテルについて取り上げたことがあまりない。以前に拙著その56「ダイバーに優しい宿は?」で取り上げたが、約5年ぶりにホテルについて取り上げたいと思う。
拙著その56では、最低条件を「眠れること、清潔であること、安全であることと」とし、「器材干し」「部屋の広さ」を主に取り上げた。
今回はこの時に書けなかったことを取り上げようと思う。
1.机やテーブル
多くのダイバーが水中で撮影する時代、カメラのセッティングや手入れをするための机やテーブルは必要である。ビジネス利用を想定しているホテルであれば机はあるだろうし、そうでない場合でも窓側に丸テーブルが置いてあることは多いであろうから、作業場が全くないということは少ないだろう。
ただし、中には非常に狭く、それこそノートPCが何とか置ける程度、ということもあるだろうから、予約時に机の写真がホテルHPに載っている場合は確認したい。机のまわりに写っているものから机の広さを推定できる場合があるだろう。
筆者これまで素晴らしいと思ったのは、フィリピンの、とある日本人経営のホテルだが、経営者が元ダイビングガイドのためか、部屋の机や出窓が非常に広く作ってあり、カメラ、ハウジング、ストロボ、アーム類を並べて置くのに充分であった。
2.電気コンセント
多くの場合、部屋には冷蔵庫や電気ケトルなどがあるので、電気コンセントがないということはない。問題はコンセントの数と位置である。
使えるコンセントが1つしかない場合、例えばカメラの充電と携帯電話・スマートフォンの充電が同時に出来ない。コーナータップを持っていけば、電流制限値内なら使えるが、なるべくこのようなことはしたくない。使えるコンセントは2つ以上欲しいと思う。
コンセントの位置も問題になることがある。机のまわりに使えるコンセントがなく、ユニットバスのドア近くやユニットバス内のみということもある。あまり湿気のあるところには置きたくないので、こういう場合は少々気になる。ユニットバス近くにコンセントがある場合、例えば椅子を台の代わりにしてその上にカメラなどを置くことになる。
あと、コンセントが机の近くにあってもその取付位置によっては使いづらいことがある。プラグとACアダプターが一体の場合にACアダプターがコンセントの周囲のものと干渉して使いづらいか使えない、ということがある。このあたりはホテルHPに載っている部屋の写真では殆どわからないであろうから、口コミサイトに関連する情報があるかどうか調べるしかないかもしれない。
筆者のこれまでの経験では、国内の場合、人気のあるホテルチェーンの場合は上記のような問題は少なかったように思う。ホテル選びの際に部屋の使い勝手も気を付けたいものである。
3.おまけ:部屋に机の無いビジネスホテル
2017年8月のこと、筆者は業務出張で、ある新幹線駅至近のビジネスホテルに宿泊した。
最近改装したためか、フロントもレストランも、エレベータ内も廊下も綺麗、部屋ももちろん綺麗で広さも不満無、ユニットバスも広めで不満無、朝食もおかずの種類が多く大満足であった。しかし・・・、唯一の大きな不満は部屋に机が無い事であった。部屋の壁から引き出してくるのかと思い探してみたが何処にもないのであった。仕方なく、ベッド脇の電気スタンド台に明日の仕事に使う書類を広げて予習をしたのであった。後にも先にも、部屋に机の無い経験をさせてくれたビジネスホテルはここだけである。
注:写真は本文と関係ありません。
文責:折原 俊哉(恵比寿潜酔会・懇親会系幹事)