地球の潜り方

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その72 ブランクダイバー

 新型肺炎(COVID-19)の感染は収まったのかと思いきや、何処からともなく現れる変異株で、またロックダウンや規制強化に逆戻りしているところがある。本コラム執筆時点(2022年1月)ではデルタ株は収束し、今度はオミクロン株が急速に蔓延している。

 こんな状況なので、ダイビング旅行はまだまだ恐る恐る行くような感覚に近いだろう。行った先でも酒類を飲んでドンチャン騒ぎはできないので、「旅先で楽しむ」というのはまだ先になりそうである。

  

 そこで、久方ぶりにダイビングをする、という場合、初心者に戻って基本の確認がやはり安全だろう。DAN JAPAN発行「Alert Diver 2021年冬号」によれば、ブランクダイバーへの注意喚起として以下の項目が挙がっていた。

  

  • ・器材のチェック&メンテナンス
  • ・ダイビング当日のイメージを膨らませてログブックをチェック
  • ・基礎体力をつける
  • ・メンタルの準備

  

 上記はどれも、Cカード取得時のマニュアルに載っている内容だろう。まず気になるのは「基礎体力をつける」だが、「Alert Diver 2021年冬号」では、「1.6kmを14分の早歩き、200mを止まらずに泳ぐ体力があることを確認することを勧める」とのこと。筆者の場合、「更衣室感染」が怖くて水泳を再開していないので、「1.6kmを14分で歩けるか?」になる。1.6kmと言えば、大都市部の鉄道の平均的な駅間距離の1.5倍近い距離、これを14分で歩くというと、普通の歩行の1.5倍くらいの速さである。「毎日買い物に行って歩いているので大丈夫」などと過信せず、ちゃんとやってみよう!

  

 メンタルの準備も非常に大事な筈だ。「Alert Diver 2021年冬号」では、「少しずつ負荷を高めるように」「久しぶりのダイビングでは、ダイビング前に心拍数が高まるので、もしドキドキしていると気づいたら、バディやインストラクターに、少し落ち着かせてくださいと伝える」「無理のない水深でダイビングするように」とある。

 一昨年(2020年)秋に筆者が潜ったときがそうだったが、久方ぶりのダイビングは期待も大きいが、何処か不安な点もあった。そういう時には初心に戻り、無理はしない、必要ならマニュアルの復習、周囲から「軟弱だなあ」などと言われるとしても、無理のないダイビングに徹するべきだろう。いきなり流れのきついところ等々に行ってパニックでも起こしたら元も子もない。あくまでもレジャーダイビング、職業ダイバーではないのだ。

   

 新型肺炎の終息までまだしばらくはかかりそうである。感染初期にフランスだったか、何処か欧州の国発の情報だったと思うが、「終息には5年くらいかかるのでは?」という記事を見た記憶がある。これが正ならあと2年くらい「旅先で楽しむ」というのはあまりできないことになる。気は焦るが、焦らず、気長に構えるしかなさそうである。海はなくならないのだ!!

引用文献:DAN JAPAN発行「Alert Diver 2021年冬号」

  

注:写真は本文と関係ありません。

  

文責:折原 俊哉(恵比寿潜酔会・懇親会系幹事)

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