羽田空港新国際線ターミナル
10月21日に羽田空港の新国際線ターミナルが営業を開始しました。「国際ハブ化!」と騒いでいる人たちがいるようですが、ボーディングブリッジ10箇所を含む14の搭乗口が出来ただけでは国際ハブ空港になれないことくらい、造った側も乗り入れる側も分かっている筈です。
それはさておき、31日よりシンガポールやバンコク行きの早朝・深夜便が開設されますので、乗り継ぎで行くプーケット、サムイ、メナド、バリなどへは日程の組み方がかなり変わる可能性があります。11月中旬にはマレーシア航空のコタキナバル線が開設され、ボルネオ及び近辺各方面行きはこれまでより効率的に行けるようになります。
勤務地が羽田空港に近く、新国際線ターミナル建設の様子を眺めていた筆者としては、すぐ行かないわけにはいきません。そこで、10月23日に行ってまいりました。以下はその報告です。非常に長いですがお付き合い願います。
新国際線ターミナルは、報道されているとおり、上下移動を少なくしたことが特色です。出発ロビーから搭乗直前まで上下移動なし、降機後から到着ロビーに出るまで上下移動なしです。出発客は3階で平面移動、到着客は2階で平面移動です。http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/company/new_haneda_airport/tiat.html参照
※10月31日変更:上記リンクをクリックすると別ウィンドウが起動するようにしました。
写真1は、駐車場の屋上から新国際線ターミナルを見たものです。モノレール駅は隣接、写真では分かりにくいですが、京急駅ビルも隣接(ホームは地下、ホームドア設置)です。駐車場も新国際線ターミナルから見ると、モノレール駅を挟んですぐそばです。
ある程度大きな空港になると出発階、到着階双方に車寄せがある場合が多いですが、新国際線ターミナルはどちらにも車寄せがありません。路線バス、リムジンバス、空港内循環バスに乗るには1階まで降りる必要があります。モノレール、京急、駐車場の利用者を優先し、バスに割を食わせたといえるかもしれません。
写真2はモノレール駅から改札口を見たものです。進行方向に向かって最後尾車両が改札口至近です。改札を通るとそこは出発ロビーです。成田空港のような「パスポート拝見!」もありません。(これが今後も続くよう世界情勢が不安定にならないことを祈ります。)
写真3は、分かりにくいですが、出発ロビー入口からモノレール駅及び京急駅を見たものです。モノレールだけでなく京急駅も至近です。京急利用客は羽田空港国内線ターミナル(20日まで「羽田空港」)行きホームからは、エレベーターか直通エスカレーターで3階まで上がれます。写真4は出発ロビー風景です。ここから奥に進むと保安検査場、デッキに上がればそこは4階「江戸小路」です。
写真5は4階「江戸小路」の中央部分です。奥にある舞台では催し物が行われます。写真6は「江戸小路」の端部にある提灯です。この提灯に入居店舗が記されています。また、江戸小路の両端部には江戸時代の茶屋をイメージした休憩場所もあります。
上の写真7と8は「江戸小路」の風景です。文房具の伊東屋が入居しています。この他、Yシャツの「鎌倉」もあります。「搭乗前にYシャツ買って、目的地ではパリッとしたYシャツ・パリッとした気分でお仕事を!」ということでしょうか。ここから5階に上がると、そこは「TOKYO POP TOWN」です。
5階の「TOKYO POP TOWN」は中央部(展望デッキ出入口があります)を挟んで「HOT ZONE」(写真9)と「COOL ZONE」(写真10)に分かれています。HOT ZONEにはスロットカーレーシングコースやハローキティーのショップなどが、COOL ZONEには目新しいものとしてプラネタリウムカフェがあります。
プラネタリウム上映は1回15分で午後に6回だそうです。このプラネタリウムカフェは入場に500円かかりますが、安すぎず・高すぎずといったところでしょうか。(関東的“まずはワンコイン”と思えなくもない。)この日は珍しさもあって長蛇の列で、入場券は完売しておりました。(写真11)カフェはPRONTOの運営です。5階は外へ出ると、展望デッキです。
写真12は、展望デッキです。左側に見えるドーム状のものはプラネタリウムの外装です。
写真13は展望デッキからの1枚です。写っているのは日航のB747-400、ソウル(金浦)行き93便です。日航のB747-400は11月以降定期便にはあまり入らず、来年春前までに全機退役予定です。上のような風景は間もなく見られなくなります。ここで展望デッキ出入口に戻ると、3階まで見渡せます。(写真14)
さて、ここからは帰路の説明です。写真15は2階到着ロビー入口部から到着ロビーを見たところです。ロビーを出てまっすぐ進む(写真15で言うと奥から手前に進む)と、左側にモノレール改札があります。改札を通ってエスカレータに乗れば、モノレールのホームです。
右側には京急駅の蒲田方面行き改札があります。改札を入るとすぐ、京急蒲田方面ホームへ降りるエレベーターがあります。
京急改札は入って少し歩く(写真16)とその先には地下の京急蒲田方面ホームへ降りるエスカレーターがあります。京急駅の改札ですが、羽田空港国内線ターミナル行き改札は地下のホームと同じ面にあるので、下り線と上り線で改札の場所が全く違うという、近年はあまり見ない構造です。乗客を滞留させる場所を考えた結果でしょうか。
駅改札に入らずまっすぐ進むと、そこは駐車場への通路です。駐車場への通路には動く歩道が設置されています。(写真17)
1階はバスに乗る人以外は用事が無いかもしれませんが、ここにはローソンがあります。国内線ビルと同様「Air LAWSON」です。この他のコンビニですが、京急駅構内にセブンイレブンがあります。
以上、新国際線ターミナルを紹介しましたが、ターミナル内の店舗が全て深夜の出発時間帯まで営業しているわけではありません。数年後の増便可能時期に多少でも見直されることを望みます。
=おまけ=
おまけとして、10月13日より営業を開始した国内線第2ターミナル増築部分についても紹介しましょう。基本的な造りは2004年開業部分と同じですので、目新しさはあまりありません。(写真18は地下1階増築部、写真19は2階増築部)ただ、ターミナル中央部吹き抜けに吊り下げているオブジェが、これまでの「滝のオーロラ」(千住 博氏作)から新しいものに変わっています。(写真20)
展望デッキも増設されていますが、既設展望デッキと違い、床にLEDイルミネーションが埋め込まれており、ブランコのような椅子も置いてあります。また、フェンスはメッシュ型でなく横にワイヤーが走る形(中部国際空港などと同様)です。筆者のように飛行機大好き人には嬉しいです。
入っている店舗で注目は、1階に100円(税込105円)ショップのダイソーが入ったことです。飲料を買いたいけれどコンビニより安く買いたい人には朗報です。また、筆者が行った時は2本で105円のバーゲン品もありました。なお、地下1階にはマクドナルドも出来ました。国内線第1ターミナルのマクドナルドとは異なり客席があります。
以上、長くなりましたが報告終わりです。現在発売中の月刊エアライン(イカロス出版刊)に、国際線ターミナル出国エリア内店舗や国内線第2ターミナル増設部店舗の概略説明が載っておりますので、こちらも読んでみるとよいでしょう。
by orichan
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